ジャンル | ADV | ||
---|---|---|---|
発売元 |
株式会社オレンジ |
||
開発 |
株式会社オレンジ |
||
機種 | Stea日 | Switch | PS4 |
配信日 | 2020年3月4日 | 2020年3月26日 | 2020年8月26日 |
東京の池袋を舞台に元刑事の探偵・狗神と、狗神の元相棒の妹であり刑事である鷲宮が「イヌワシ」として数々の事件に立ち向かうADV。
推理要素は薄い
本作はゲームとして推理要素は殆どない。選択肢もプレイヤーが話を理解しているかを問うための事実確認だけの物が多い。
ミスが多いとバッドエンドになるというルート分岐要素があるが、初見で真エンドに辿り着くのも容易である。バッドになるかもという緊張感を持たせつつも詰まる心配は少ないという点で、推理面の薄さが一概に悪いとも言えない。
有能すぎる仲間たち
本作の協力者たちはハッカーや地域の事情通などクセは強いが優秀な人達ばかりである。情報は彼らが集めてくれるのでプレイヤーが干渉することがないともいう。
キャラは立っており各自に相応の見せ場もあるので愛着は湧きやすくなっているし、彼らの奮闘を見るのは楽しめる。
ラスボスが人間ドラマを阻害する
ネタバレにならない程度に触れると、本作のラスボスは第1話の時点で明かされてラスボスを追うこと全編通しての目標となる。しかしこのラスボスが筆者的には面白味が皆無なので、ことある毎に出てきて鬱陶しかったというのが率直な感想である。
端的に言えばラスボスは洗脳で人を操れる。各話の実行犯の中にも、事件の動機はラスボスの誘導、最期はラスボスの指示で自害という者がいる。単発の事件でこうされると「こんな酷い事件を何の目的で誰が引き起こしたのか」という憤りをぶつける先がない。ラスボスの真意と断罪は最終話までお預けくらうし…
だからラスボスが一切出てこない4話が1番面白かった。他の話は何らかの形でラスボスが出てくるので出てくる度に身構える必要があって楽しみきれなかったというのが正直なところである。
総括
「推理ADV」として期待してプレイすると肩透かしをくらう。「事件を介した人間ドラマ」の読み物としては見所も多いのだけど、ラスボスの存在がチラつくと楽しさが半減する。ラスボスのキャラが好みという人であれば問題なく楽しめるだろう。