ジャンル | ADV | ||
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開発元 |
株式会社オレンジ |
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発売元 |
株式会社オレンジ |
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機種 | Switch | Steam | PS4 |
配信日 | 2020年3月12日 | 2020年9月24日 | 2020年9月24日 |
2Dミステリアドベンチャーを多く手掛ける株式会社オレンジの作品。
元はスマートフォン向けに章単位で発売されていたようだが、筆者がプレイしたのはSwitch版となる。
また本記事はストーリー上のネタバレには触れない紹介記事とした。
ネタバレありの記事も別途作成したので気になる方はそちらを参照されたし。
lee-to-mass-games.hatenablog.com
「予知夢」で事件を防ぐミステリ
物語は貴族のロキフォード家で働くことになったメイドのエリーが、当主であるアーヴィングが殺害される夢を見ることから始まる。
エリーはこの夢が正夢とならないように奔走するというのが主軸となる。
特徴的なのは「予知夢」であるため事件が起こる前に防ぐことに主眼が置かれていること。
生死の関わるミステリは殺人が起こってから始まることも少なくないが、本作は死人を出さないことに注力している。
其のお陰で事件を解決しても亡くなった人は還ってこない…という後味の悪さもなく、エリーの努力が純粋に報われた安堵感を楽しむことができる
探求心旺盛なメイド・エリー
両親をなくしメイドとして働くエリーは、父親が好きだった探偵小説の影響もあり気になることは追求しようとする性格。
持ち前の観察眼と洞察力で調べたことを論理的に説明することで周囲を説き伏せて事件を解決していくことになる。
探求心の高さ故に当主や客人に対してもあれこれ聞き出そうとするのはメイドとしては問題があるのだろう。
だが奥ゆかしいメイドだったらストーリーが停滞してしまうので、エリーの前のめりなところは個人的には好感触であった。
アーヴィング狙われすぎ問題
予知夢の中で被害者となるアーヴィングであるが、一度死亡を阻止したらもう安心…とはならない。
一難去ってまた一難といわんばかりに何度も狙われることになる。
故に生きながら夢の中で多彩な死に方を披露してくれる。
狙われる度にエリーに助けられることになるので、一メイドに過ぎないエリーを信頼に足る人物とみなすには十分な描写かなと思う。
目新しさはないが不自由さもないシステム
ゲーム進行はテキストを読み進めつつ、間に挟まれる調査パートで証拠を集めて、それらの証拠を元に対峙した人物を説得するというADVではよくあるようなシステム。
オートでのテキスト送り、バックログ、既読スキップといった便利な基本機能は完備されており進行上のストレスはない。
たまにミスをするとバッドエンドになることがあるが、分岐地点を確認出来て任意の地点からやり直せるフローチャートもあるのでやり直しにも困らない。
総じて現代のADVとして遊びやすいシステムと言える。
サクッと手軽にプレイできる
全5章構成で数時間でEDに到達可能。シナリオとしては短く難易度も低い。
その中でもミステリとしての山場とどんでん返しは用意されており最後まで楽しんでプレイできる作りだった。
因みに若干の恋愛要素があり、EDが2パターンある。ただし、まるで好感度上下するかのような選択肢があるのにEDで誰と結ばれるか決まる選択肢は1回だけのようだ。
あくまで本筋はミステリで恋愛要素はおまけかなと思う。